飯田線 慕情 1 飯田線はどうなる?
JR・飯田駅
最近、リニアの記事が目に付くようになり、それと平行して飯田線の記事も見かけるようになりました。個人的には、懐かしい限りですが、リニアモーターカーが新設されて、飯田の街の付近にリニアの駅が出来たら、飯田線はどうなるのだろうと、いささか気になります。
そう思うのは、自分の生まれ故郷の鉄道であるとともに、高校生時代に通学に遣っていた鉄道という思い入れもあるからだと思います。通学の電車と言うのは、正確ではありません。自分の通学は、基本は自転車で、自宅から30〜40分かけて通学したのが8割ぐらい、高校手前の、御殿山?の坂が急で、半分は息切れして、手押しで登ったことが、懐かしい記憶で残っています。雨や雪の日、主に冬に、残りの2割の通学に、電車を遣いました。
最寄りの駅は毛賀駅で、高校がある駅は上郷駅、これが自分の電車通学のルート。当時は、確か切符を売る小屋があって、回収もしていた記憶がある。今は当然、両方とも無人駅。
最近鉄道は、高速化・新幹線化で、在来線は新幹線に客を奪われて赤字路線化しているようです。赤字の在来線は、代替輸送をバスに託して廃線化していると言われます。
そもそも、飯田線の存続は大丈夫だったのでしょうか。
リニア駅が出来て、飯田線が乗客輸送に使われることが確定したので、存続は担保されたようですが ・・・
ここからは、元JR東海の社員だった知り合いの話を、思い起こしながら書いてみます。記憶が遠い場合、正確ではないかも知れません。ご容赦を ・・・
飯田線の列車の絵
飯田線は基本的には赤字路線だそうです。
基本的には、・・・という表現は、なにやら曖昧ですが、乗降客は、飯田駅と伊那市駅を中心として、朝晩の通学通勤の時間帯に限り、本来の乗客の輸送の役目を果たし、その他の時間帯は極度に閑散として、天竜峡以南の静岡・愛知の県境地帯までは、通学時間帯ですら閑散としています。この為、廃線の危機は度々訪れて、「ワンマンバス」ならぬ「ワンマン列車」を生み出し、飯田線のほとんどの駅が、無人駅になりました。人件費などの徹底した削減です。
通学の時間帯だけ、駅は、高校生で溢れます。そして、高校が集まるところまで、高校生を運びます。でも、一般客の姿は、ほとんど見受けられません。交通手段として、飯田線は異常に遅過ぎます。隣接の駅間は、山手線並み。かつ蛇行やトンネルや急勾配が多く、スピード化に対応していません。高速道が出来、高速バスが走ると、遠距離移動は、みな高速バスに頼るようになりました。 ・・・勿論、高校生の時代には、それが普通と思っていましたが ・・・
辰野駅
この飯田線は、最南端部が、豊橋・本長篠になります。この区間は、前述で述べた様相と一変します。特に豊橋・豊川間は、複々線化がなされていて、名古屋へのベッドタウンとして、人口急増の地帯のようです。複々線は、名鉄も乗り入れ、ここの区間は完全に黒字の路線です。ちなみに、豊橋は愛知県人口三番都市で36万人、一宮市に平成の大合併で二位の座を譲りましたが、、尾西市が一宮市に併合したためで、愛知県民は、豊橋を名古屋の次の市と認識しているようです。ついでに四位は岡崎。豊川は人口17万人。
JR・豊橋駅
JR東海元社員は、口癖のように、”豊橋・豊川間の黒字で、飯田線は持っているんだ”といっています。JR東海自体が、余裕のある企業なのかも知れません。しかし、現実は「モラトリアム」の期間と言うだけなのかも知れませんが ・・・
リニアの路線発表の時、JR東海は、駅名の発表はしなかったが、リニアと飯田線の連結を公言しました。これで、基本的には赤字の飯田線の存続は、かろうじて担保されたようです。