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Channel: ときどりの鳴く 喫茶店
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コーヒーブレイク  ・・巡礼の名を借りて・

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この人の、美意識には感心します。及ぶべくもないが、見習いたい願望は、つねにあります。古典文学やや古典芸能の豊富な知識の蓄積の裏付けのすえに、さらりと出てくる普段着の言葉は、読みやすい言葉ゆえ、やはりさらりと読み越してしまうが、”ハッ”と思って読みかえすと、その意味が深いこと・・・

古美術に対する鑑賞眼も同様です。培われた教養がなせるわざなのでしょうか。たまに、白州正子の周囲の人を探って見ると、小林秀雄が出てきたり、和辻哲郎が出てきたり、 釈迢空が出てきたり・・・詩的美学っていうのか、日本的美学って言うのか、大御所が並んでいます。そんな人の巡礼随筆には、はるかに及ぶべきもないが・・・つたない巡礼記を書いています。

歴史を学んだものは、謙虚にひたすらに、感性を磨きたく思います。さらに史実の知識を蓄積したく思います・・・

最近の面白い話では・・・

・・・ソフトバンクのコマーシャルの白い犬の居る白戸家は・・・白洲次郎・正子の白洲家を名前だけ借りて変名したと聞きます・・本当でしょうか?・お父さんは次郎?お母さんはマサコ?・・

 秩父三十四巡礼の、ようやく、・・ようやく半分にきました。

秩父は、自分が生まれてから幼年を過ごした田舎の風景に似通うなところが、散在するからでしょうか、落ち着きます。こうゆうのを、”すきだ”と表現するのかも知れません。前の何処かに書きましたが、寺の持つ”抹香くささ”も、若い頃は嫌いで、必要最低限しか関わりを持ちませんでした。神社も”うすぐらい、陰湿”なイメージで、好んでは近づきませんでした。もとより宗教心はありません。

では、今ではどうでしょうか。相変わらず宗教心はありませんが、”抹香くささ”に拒否反応はなくなっています。神社に対しては、知識が増えるにともなって、"生きること”を肯定する、生命や生活を応援する、きわめて"明るい”宗教ではないかとまで、思えるようになっています。

もとよりの興味は、秩父の歴史であり、鉱山の地であるが為の渡来人の逸話や鉱山をめぐる欲望の衝突やなにやら意味ありげな修験者のことや、山奥を抱えている地の「かくれ里」の話や・・・だったですが、期待を裏切らず、少しずつ露出してきます。あと半分探索を続けます。

収穫だったのは、妙見信仰のこと。北辰信仰、北斗信仰とも言います。・・・

北斗七星を信仰するというのは、なにを意味するのでしょうか。古来、中国でもヨーロッパでも、北半球の住民は、北斗七星を方角や位置を知るのに使いました。この北斗(妙見)を信仰するというのは、遊牧民族の信仰です。当然日本の信仰ではありません。そして、秩父には渡来人の帰化した痕跡があります。ひとつやふたつではありません。至る所とまでは言いませんが、その痕跡は現在に引き継がれています。朝鮮系渡来人では、新羅とか高句麗(高麗)、大陸系では秦一族、さらに融合して秦系新羅人等々・・。教科書的知識を思い出せば、任那(ミナマ)百済(クダラ)高句麗(コウクリ)新羅(シラギ)の四国で、任那が日本に近く、朝鮮半島を経て農業を始めとする文化が伝わってきた・・・こんなところでしょうか。あらためて朝鮮半島の地図を開いてみると、高句麗が中国と隣接し百済と高句麗の間に新羅は存在します。そこに書かれていた説明文には、中国政府の中国社会科学院は、新羅について「中国の秦の亡命者が樹立した政権」としています。秦は始皇帝で有名ですが、確かに中原(チュウゲン)民族ではなくて、遊牧民です。・・・ここで、ようやく繋がりました。

このことを改めて確認すると、秩父が渡来人の里とまでは言わないが、当時から今まで、日本の政府(朝廷・幕府)や民衆は、渡来人やその文化を、決して排他的にではなく、融合同和してきた歴史を観ることが出来ます。「秩父夜祭り」だけではないが、一緒に楽しんでもいます。


  

秩父から、ひととき離れて、コーヒーブレイク・・・

白洲正子の”かくれ里”を読みます。特に”君ヶ畑”のところを念入りに・・・個人的興味です。

白洲正子が書くと、”かくれ里”のひとつひとつが美術品のように思えてきます。


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